初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜



 けどまぁ、新田さんのことはこれでも大切に思っている。
 だから、その真意を知ってから行動したいという気持ちもなくはない。
 私は新田さんの言葉の続きを待つことにした。



「…………」
「……つーか、俺も学部同じだしその学科も取ってたから教えられるし」
「…………」
「まぁ、でも……先約がどうしても大切なら、終わるまで待ってるけど」
「…………」



 薄い唇を尖らせながら、言葉尻を小さくしてポソポソ喋るその姿に頭を抱えたくなる。


 その恵まれた体格で、恵まれた顔で、普段はどちらかというと横暴だし色気を全面に押し出してくるのに、こういうときに可愛いのってどうなの。


 あからさまに不貞腐れるその態度が可愛いし、何より面白い。私はこれに弱い。
 ふはっと吹き出すと、新田さんがポカンとこちらを見る。



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