初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜



「あははっ……それじゃあ、新田さんの奢りなら」
「何笑ってんだよっ……」
「だって子供みたいに不貞腐れてるから」
「は? 誰が子供なんだよ」
「お子ちゃまは黙ってトンカツください」
「…………」



 新田さんのトンカツの一番大きな部分をフォークで刺し口に運ぶ。ザクザクの衣に脂の乗った分厚いお肉が美味しい。



「んん、おいひい」
「…………」

 

 ……あれ、おかしい。
 文句言いそうなところなのに。罪悪感湧いちゃうじゃん。



「うわ、ちょ、深冬……」



 動揺した先輩の声に新田さんに視線を戻す。
 すると、何故か新田さんは目尻と耳を赤くして口元を覆っていた。



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