初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜
ここ最近は連絡も無視して、学内ではなんとか話しかけようとこちらが勇気を出せば逃げていたくせに。
というか、この人私が新田さんと来ていることに気付いていないのか?
堂々と、薄ら笑いすら浮かべるその表情に、やっと会えた喜びや悲しみより前に思考が停止している。
こっちはあちらこちらから彼氏の浮気の情報が耳に入り、頭がおかしくなりそうだったのに。何故今、どうして。
そんな私を他所に、彼氏はわざとらしくストローを吸いながら、口を開いた。
「なんかさ、俺が居ない間に他の男と随分仲良くしてるらしいじゃん」
「……は」
「俺は課題の事とかで仕方なく香苗との連絡も絶って、たまに帰ると責められてたのに。お前にはマジでがっかりだわ」
「何言ってるの……? 私はっ」
「お前、新田さんとヤってるんだろ?」
言葉を失った。