初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜
新田さんは私をおんぶしたまま、すんなりアパートの階段を登っていく。
そして私から鍵を受け取ると、電気もつけず中に入って鍵を閉め、私をベッドに寝かせた。
薄暗い部屋で、ベッドサイドに膝をつき座った新田さんが私の頬に手を当てる。
思わず人肌が気持ちよくて擦り寄ってしまう。
「水飲むか?」
「いらない……ねむい……」
「お前酔っ払うとこんなにふにゃふにゃになるのダメだろ」
「ダメなの?」
「なんでオマエ、そんな無防備なわけ? 襲われても文句言えねーぞ」
新田さんの私の頬に触れた手が、優しく輪郭をなぞる。それだけでゾクリと肌が粟立った。
熱っぽい目でとろける様に見つめられ、アルコールだけのせいではなく体温が上昇して、熱い吐息を吐いてしまう。