初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜
────なんで、好きだと言ってくれないんだろう。
そんなワガママな考えが頭を過ぎる。
恋人じゃない男とはいえ、気の合う新田さんと暇さえあればずっと傍に居て、支えられて、優しくされて、こちらが好意を持ってしまうのも必然だと思う。
だけど、別れたばかりだからとその好意を口にするのを躊躇ってしまう。
だからこそ、甘えているのは分かっているけど言ってほしい。
もう、このままここで奪って。
新田さんのものになりたい。
そんなことを思ってしまう。このままでは私、恋人でもない男に発情する、変態ではないか。
アルコールが回りすぎて酩酊状態のまま、私の思考回路は暴走していく。
そして、私をじっと見つめていた新田さんに向けて両手を広げた。