初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜




「しっかり寝ろよ。おやすみ」



 新田さんはそういうと、部屋から出て行ってしまった。
 すっかり酔いが覚め、私は真っ白になった頭で一つの答えを導き出す。



「…………もしかして、釣った魚に餌やらなくなるタイプ?」



 というよりもしかして新田さんは、私に気がなかったのか。
 もしかして、あの距離感は遊び人ならではだった?
 他では遊んでないというのはリップサービスだった、とか?


 え、ちょっと、状況が理解できない。
 一つだけ分かることといえば、拒まれた、ということだけだ。

 




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