初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜
────新田さんに、昨日好意を曝け出した瞬間拒否された理由が、分かってしまった気がした。
新田さんは、振り向かない私が面白かったんだ。
他人の彼氏で、どれだけ自分が傍に居ても目もくれない私が。
だから特別扱いして振り向かせるまでを楽しんでいた。
「…………そっかぁ」
点と点が、線で繋がっていく。
アレだけ一緒に居て、特別扱いしても尚告白されない理由は、そういうことだったんだ。
それじゃあ、昨日も拒否されるはずだ。
「……自分から告白しちゃう前に、知れてよかった」
その時、スマホがメッセージを受信した。
新田さんからの連絡で、二日酔いの心配をしてくれている。
私の瞳から一粒、涙が溢れた。
涙がぼたぼたとスマホに落ちる。
それでも構わず、私は新田さんにメッセージを送った。
『もう会わない。連絡してこないで』
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