初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜

　……確かに、恋ってめんどくさいけど悪いもんじゃねーな。


　アパートの先の商店街を通り、駅に着き改札を抜ける。そして、電車を待つ間香苗にメッセージを送った。
　すると直ぐに既読が付いたがなかなか返信がない。いつもは読んだら即レスなのに。


　もしかして二日酔いで体調を崩してるのかもしれない。
　バイトの後で何か買って届けるか？


　ちょうどその時、電車がホームに滑り込んでくる。ぶわりとか風が吹き、轟々と音が鳴り響く。
　それと同時に、スマホがメッセージを受信した。



「────は」



　画面に映る文面に、息が詰まり頭が真っ白になる。
　突然の一方的な拒絶に、俺は電車に乗り込むのも忘れその場に立ち尽くした。





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