初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜
あれから何度も新田さんからメッセージが来ていたけど、既読を付けていない。
元カレに裏切られていた時も悲しかったけれど、今回はそれ以上だった。
それだけ好きになってしまっていた。私を弄ぶだけの為の、不器用で素直な優しさに浸ってしまっていたから。
今はもう、たとえ眠れなくて悲しくて苦しくても、支えになってくれる人はいない。
私は日を重ねるごとにダメになっていった。
電話も取らず友人にも口止めをして、私がどう行動しているか漏れないよう頼んだ。
友人もその恋人の先輩も心配してくれたけど、私は大丈夫だとそれ以上口を割らなかった。
大学でも授業が終わって直ぐにその場を後にし、考えないようバイトもフルで入れた。
バイト先に来られてしまうのではないかと警戒したけど幸いそれもなく、けどそれが残念に思えてしまう自分に嫌気がさした。