初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜



 嫌だ、気持ち悪い、誰か助けて。
 どうして、なんでこんな目に。


 ────新田さん。




「オイ、何してんだよ」



 その瞬間、突然元カレの手首が捻りあげられた。
 その声は、今この瞬間求めたものだった。



「お、おまえっ、なんでっ」
「うるせー。テメェは喋んな」



 新田さんは元カレの手首を思い切り引き床に転がすと、私との間に割って入る。
 その背中に悔しいけどすごく安心して、涙がボロボロ溢れた。


 張り詰めた静かな空間に、新田さんの怒りに満ちた低い声が響く。



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