初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜




「消えろ。今直ぐ消えねーなら警察に突き出す」
「はっ……俺は」
「これは完璧な犯罪だ。一線超えてんだよ。退学になんぞ」
「っ……」



 元カレは息を飲み、転がるように逃げていった。
 しばらくその背中を睨んでいた新田さんは、ゆっくりとこちらを振り返る。



「……怪我は」
「な、ないです」
「そっか。よかった」
「……ありがとうございます」
「俺、話したいことあってきたんだけど。とりあえず中入れてくんね?」
「え」
「いい加減近所迷惑になんだろ。早く」



 新田さんは私の背中を押すと、鍵を開けさせ玄関に私を押し込む。
 あまりの展開の速さについていけなくて、断ることもできなかった。




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