これが我が一族の能力〜鎌倉時代編〜

「だってさ、どうするかい？雛菊？」
「愁一郎様のお客人にそのようなことをさせるわけには」



雛菊という女性は困った顔をしていた。



「この子はね、一族の力でここに来ちゃったんだよ」



愁一郎様はあっさりバラしてしまう。



「しゅ、愁一郎様!?」



私が驚いていると愁一郎様はを微笑んでいた。



「大丈夫だよ！彼女は事情わかる人だし」
「こちら側にいる方で知らない方はいませんもの」



女性は私に頭を下げてから部屋を出て行く。



「では、私は夕餉の支度がございますので失礼します」


そして愁一郎様は、詳しい話しを聞く為に私に用意された部屋で話しをする。



「改めて、私は水城愁一郎。水城家当主だ」
「私は、水城明里と言います。私は70代目当主です」
「キミは平清盛の亡霊とか見た？」



私は愁一郎様の言葉に素直に頷く。



「何故ご存知なんですか？」
「…水城家の当主にはね、当主のみ違う能力が出る場合があるんだよ。私は、過去や未来に行く力がある。未来では、私は初代当主と言われている」
「あなたが初代当主……なんですか」
「そうだよ」



私はそれからしばらく愁一郎様と話し込んでいた。



そして、話しこんでいるうちにすっかり日が暮れた。
愁一郎様は、私を連れて広間に向かう。



「愁一郎さん遅いよ！」



１人の少年が愁一郎様に文句を言う。



「はははっすまない」
「何だ、その女は」



見下したような言い方に私はムッとした顔をする。



「へぇー、水城家の人間って初対面の人間に対する礼儀知らないんだねー」
「なっ!?」
「こらこら、明里ダメだろう？」



愁一郎がそう言うと、明里はムスッとした顔をする。



「何故私にだけ言うのですか？」
「えっ？」
「彼は、私を見下したような言い方をしましたよ？」
「そりゃあーあんたが水城家を侮辱したからだよっ」
「ふーん。陰陽師としては対したことないのに口だけは一人前なんですね」


ホント口ばかり達者なんだから。
龍輝とは大違い!!



「てめぇ、喧嘩売ってんのかよ!!」



それからあまりにも私たちのケンカが激しいからか愁一郎様に止められた。