もう一度、その声が聞きたかった【完結】
(圭介 side)

彼女が戻り、全て状況を理解した。

正直俺の今の状況は最悪だが
怖い思いをしただけでなく
俺がこんな事になってしまって
彼女の心が心配だった。

俺は彼女の心が少しでも楽になればと
彼女の提案を受け入れた。

仕事で知り合ってまだ間もないはずの女性に
下着などを頼むのは恥ずかしいが
家族や恋人がいない俺は
彼女にお願いするしかないのだった。

俺の今の記憶では
恋人がいたのは高3の時が最後だ。

利き手の骨折で
ペットボトルさえ自分では開けられなかった。

あまりの恥ずかしさに
自分でも顔が赤いのがわかり
余計恥ずかしくなった。

1週間もある入院生活
こんな調子で乗り切れるのか不安だ。
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