もう一度、その声が聞きたかった【完結】
(圭介 side)

ずっと胸がモヤモヤしている。
俺を呼んだあの声は彼女じゃないか…って。

今日の昼、倉木さんがお見舞いに来てくれた。
彼女の事は忘れてしまっていたが
顔を見るとなぜかホッとした。

彼女が買ってきてくれた物を見て
ただの偶然かも知れないが
俺が愛用している下着に
普段よく読む雑誌があった。

彼女を横目で観察してみる。

肩まである髪は綺麗なブラウンで
耳にはシンプルなピアス。
目はぱっちりとした二重で
爪は綺麗に色が塗られていて
指輪ははめていない。
背は160センチぐらいで細身。
体のラインがわかるニットを着ていて…


正直、凄くタイプの女性だ。
じっくり観察してもやはり思い出せない。

彼女と少し話をするが
話やすくて懐かしいような感覚があった。

でも彼女の様子はあまりにも普通で
俺の勘違いなのかもしれない。
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