もう一度、その声が聞きたかった【完結】
(圭介 side)

今日やっと退院の日。

前々日にお見舞いに来てくれた彼女に伝えると
退院の日も手伝いに来てくれることになった。

彼女が来るまでに身の回りの物の整理をする。
カバンを手にとり財布を確認する。
中には見覚えのない指輪。
自分の物か確認するため薬指にはめてみた。
サイズはピッタリ。
自分の物で間違いないようだ。

中にはイニシャルらしき刻印。
Kは俺、Sは…?

ふと名刺入れをみた。
取引先なら必ず名刺交換をする。

"倉木 さくら"
彼女のイニシャルはS。

ますます彼女が気になる。

もし仕事上だけではなく
もっと深い関係だったとしたら…?

今日を逃せば会う機会がなくなってしまう。
彼女に聞いてみよう。
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