もう一度、その声が聞きたかった【完結】
(圭介 side)

カフェに入り彼女と話をした。

彼女もあの事件のあと悩んでいるようだった。
少しでも力になれればいいが、
彼女は大阪から離れると言った。

俺は彼女に過去の事実を聞いた。
やはり彼女とは恋人だった。
ただ彼女が俺を傷付けたから
思い出さなくてもいいと言う。

''私が全て悪い…"
その彼女の言葉が妙に引っかかる。
過去にも言われたことがあるような気がした。

そんな事を考えていると
彼女は素早く席を立ち、カフェを出て行く。

俺の呼び止める声は届かなかった。



どうにか思い出す方法はないのか…。
自宅に向かうタクシーの中でずっと考えていた。

マンションのエントランスでメールボックスを確認する。
1週間近く留守にしていた為に手紙溜まっていた。
部屋に入り1つ1つ確認する。
白い分厚い封筒で手が止まる。

差出人は"向井 優希"
知らない人だった。
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