もう一度、その声が聞きたかった【完結】
(圭介 side)


記憶を取り戻すには
やはり彼女に会わなければならない。

スマホのアドレス帳を確認するが
彼女の連絡先は入ってなかった。

優希に知らないか聞く。

『俺は元々知らない。
玲奈に聞いたら、4年前に電話を掛けたら
番号が使われてなくて繋がらなくなってたらしい。だから玲奈も知らないんだ。』

「そうなのか…。」

俺は1月の結婚式に参加することを伝えて
優希とは別れた。

「くそっ…」

なぜあの時連絡先を聞かなかったんだ…。
彼女はまだ大阪にいるのか?
なにもわからない。

俺は大阪に戻る前に優希に聞いた
よく使っていた駅周辺や大学を立ち寄った。
なにか記憶に繋がるヒントがあれば…。

最後に昔住んでいたマンションを訪れた。
懐かしい感じはする。
部屋には入れないのでマンション周辺を見て周る。

マンションから数分歩いたビルの地下に繋がる階段。
そこにあるBARに吸い込まれるように
自然と扉の前に足が動いていた。
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