もう一度、その声が聞きたかった【完結】
車で走ること20分。

大きな公園の駐車場に車を停める。

寒いからと彼が自分のマフラーを
私の首に巻いてくれた。

公園の中央広場に向かい歩いて行く。

薄暗い公園内には多くのカップルがいた。

彼は私の手を握り
''大丈夫?''と声をかけてくれる。

私の手はしっかり繋がれていてとても温かい。

人混みは久しぶりだから少し緊張するが
彼と一緒なら大丈夫そうだ。


しばらく歩くと
オレンジ色の灯が無数に見える。
広場一面にキャンドルが並ぶ。

「えっ、これって…」

『前に話したの覚えてる?
【Waz(ワズ)】のキャンドルイベント』

「そうだ、今日だったね!」

『色々あったから忘れてたか?
東京に戻ったんだから一緒に見たいなと思って』

「すごーい!!キレイだね!」

キャンドルの温かい灯りと
ホワイトローズの香りが私の体を包む込む。

しばらくの間、私たちはその空間に魅了されていた。
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