もう一度、その声が聞きたかった【完結】
彼が私の顔を覗きに込み
流れた涙を彼の指が拭う。

『さくらと再会してから
ずっと伝えたい事があったんだ。
仕事関係で繋がってしまったから
中々言えずにいたんだけど
今日は言わせて欲しい…。

俺は今でもさくらのことが好きだ。
ずっと忘れられなかった。
あの花火大会の日
すぐに追いかけて引き止めれば良かったって
連絡が取れなくなってずっと後悔していた。
5年経って再会してすごく嬉しかった。
運命だと思った。
もう一度やり直したい…。』

私はびっくりして何も言葉が出ない。
彼の目を見ればその想いが真実だとわかる。

彼から目が離せない。
彼の顔が近づいてきても。

そのまま私と彼の唇が重なった。

混乱する頭の中はさっき彼が発した言葉が
グルグルと回っていて…。

抵抗しない私に彼のキスはどんどん深くなっていく。
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