もう一度、その声が聞きたかった【完結】
(勇人 side)

久しぶりに彼女とデート。
クリスマスイブだし柄にもなく張り切って
デートプランを考えていた。

クリスマスディナーのあと
彼女の好きな【Waz】の
キャンドルイベントへ行き
彼女のとびきりの笑顔が見れて俺は幸せだ。

イベントのあとは近くの教会で
彼女にプロポーズをするつもりでいた。


しかし、プロポーズはできなかった。



事件の時、さくらを助けてくれた男
WANZUの鷲尾圭介。

彼の一言で俺の計画は狂った。

''元カレ"
まさかそんな言葉を聞くとは思わず
一瞬聞き間違えかと思ったが
彼の表情を見て悟った。

しかも、こいつはまだ…。

本田さんに呼ばれ、その場を離れた。

さっきもらった名刺を見る。

(圭介…、あのっ!)

さくらがずっと忘れられない元カレだった。

もうプロポーズどころではない。

彼がまだ彼女を想っているなら
俺は邪魔者じゃないか…。

でもさくらは絶対渡さない。

離したくない一心で
俺は彼女を苦しめてしまうのだった。
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