もう一度、その声が聞きたかった【完結】
イブの夜から3日間彼の家で過ごした。
何回抱かれたか記憶にない。

こんなこと今までなかった。

正直、今自宅に戻りホッとしている。

彼との時間は好きだけど
トイレ以外はベッタリで
スマホが鳴るたびに''誰?''と聞かれ疲れた。

今、仕事中にも関わらず
彼から1時間ごとにメールが届く。


彼は明後日には仕事納め。

年末年始の予定は特にないから
たぶん一緒に過ごすだろう。

彼とどう接していいのかわからなくなってきた。

私は棚にある花瓶に新しい花を生けて
ため息をついた。

エコー写真の入った箱に触れ
圭介のことを思い出していた。

あれからこの箱はまだ1回も開けていない。

彼の記憶が戻り
ずっと私のことを想っていたと
告白してくれた彼。

そして5年ぶりの彼とのキス。


私は…私の気持ちは…


そんなことを考えていると
また勇人からのメールが届き
現実に引き戻された。
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