もう一度、その声が聞きたかった【完結】
(勇人 side)

自分でも抑えられない感情に
どうしていいのかわからない。

なんとしてもさくらを繋ぎ止めないと…。

元カレの事を思い出す暇も与えないぐらい
毎日彼女を抱いた。

避妊しない時もあった。

彼女には悪いと思うが
今の俺には子供が出来れば…
なんて最低な考えしか浮かばなかった。

俺だけを見て欲しい。
俺だけのさくら…。

30過ぎて初めてこんな感情を知った。

彼女に拒否された日
やっぱり彼女は元カレを選ぶんだ
俺の想いは届かないんだと思った。

どん底の俺にさらに追い討ちをかけて
彼女の生理が始まり
子供はできていなかった事がわかった。

彼女の発言がきっかけで
俺の口はベラベラと勝手に話だした。

目の前の彼女は驚いているが
そんなのお構いなしに彼女を抱きしめた。


俺を選んでくれるよな、さくら…。
< 146 / 168 >

この作品をシェア

pagetop