もう一度、その声が聞きたかった【完結】
バスターミナルからタクシーに乗り
勇人のマンションへと向かった。

オートロックを解除して
部屋の前に立ち、チャイムを鳴らす。


ガチャっとゆっくり扉が開く。

『さくら…』

私は顔を上げしっかりと彼の顔を見る。

「勇人、話がある。」

彼はなにかを悟ったようで
顔を歪めたまま無理やり笑顔を作る。

『寒いから中入って…』


部屋に入り、ソファに座る。

「いきなり来てごめんね。
あれから実家に帰って色々考えたの…
これからのこと…。

勇人、私たち別れよう…」

私は冷静に淡々と彼に話をする。

彼は額に手を当てて
深いため息をこぼした。

『…そうだよな、ごめんな。』

彼はゆっくりと話出す。
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