もう一度、その声が聞きたかった【完結】
「……玲奈?」

私は驚きすぎて次の言葉が続かない。
そんな私を見て彼女が私に近づく。

『本当にさくらなの?
今までどこで何してたのよ!』

私の顔を両手で包み込み
しっかりと確認する彼女。

彼女の目からは涙が流れている。

「玲奈…。ごめんね…。
スマホ壊れて連絡先わからなくて…」

『なによ、それ。親友の番号ぐらい暗記しときなさいよ。私は、ずっと…待ってたんだからね…』

彼女の言葉に私も涙が溢れてくる。
そんな私を彼女は怒りながらも強く抱きしめてくれた。

『会いたかったよ…さくら…』

圭介は私たちを優しく見守る。



ーーーーー

『玲奈、サプライズ大成功〜』

雰囲気ぶち壊しの発言と
クラッカーの音まで聞こえる。
どうやら新郎らしい。

私は新郎の顔を見て、また驚く。

「えっ、優希くん?」

『えっ、今気づいたの?えっ?』

新郎の彼が目をパチクリさせて驚く。

「ごめんなさい。玲奈しか見えてなかった。」

『えー!さくらちゃん、ひどいな。
俺が計画したのに…俺が2人のために…』

うなだれる彼の肩を玲奈がバシッと叩いた。

『優希、ありがとうね。』

私たち4人は昔のように笑いあった。
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