もう一度、その声が聞きたかった【完結】
新郎の優希くんは
男友達の集団に攫われて
私はしばらく玲奈と2人で話をした。

「玲奈、ごめんね。
ずっと連絡しなくて…。」

『さくら、事情があったんでしょう?
もう謝らないで。
こんな特別な日にさくらと会えたんだもん。
私、すごく幸せだよ。』

「玲奈、結婚おめでとう!」

『ありがとう、さくら』

彼女は私の手をギュッと握った。

「でも優希くんと結婚ってビックリした。」

『ずっとね、あの頃と変わらず友達だったの。
だけど2年前に私、元彼に裏切られてボロボロになって、自殺未遂までしちゃって…。
そんな私を優希は叱ってくれて、ずっとそばに居てくれて…。いつのまにかすごく大切な人になってたの。実は交際期間はね、半年ぐらいなの。』

「そうだったんだ…。玲奈が元気になって
また会えて本当に良かった…。
優希くんと幸せになってね!」

私が知っている彼女は強くて明るい女性だった。だから彼女の告白は衝撃的だった。

でも今、目の前にいる彼女はとても幸せそう。

(私もいつか…
こんな日を迎えることができるのかな…)


圭介にすべてを打ち明けて
私もしっかり彼と向き合わないといけない気がした。
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