もう一度、その声が聞きたかった【完結】
20:家族
圭介のプロポーズから1年。

この1年、彼は大阪、私は東京で
それぞれ仕事を頑張った。
彼と会うのは大型連休の時だけ。
毎日、テレビ電話で会話した。

プロポーズしてもらった時に
私は彼に待って欲しいとお願いした。

自分の気持ちの整理はもちろん
私を悲しみのどん底から救ってくれた
接客の仕事に戻れるまでは頑張りたい。

彼も東京本社に移れるように
仕事を頑張ると言ってくれた。

そして彼は見事に成し遂げた。
4月から東京本社に栄転が決まった。
20代後半で異例の昇進をしたのだ。

私はというと1ヶ月ほど前から
やっと店舗に復帰した。

まずは電車に乗ることから徐々に克服していき
店舗応援に行ったりして
1年かけてようやく店長に戻ることができた。

これも彼との約束がずっと支えになって
頑張ることが出来た。

この1年で自分の気持ちもはっきりした。
私もまた、彼を愛している…と。
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