もう一度、その声が聞きたかった【完結】
「…1人になりたい…」
目が覚めた私はつぶやく。
母はなにも言わず病室を出て行った。
点滴が繋がれた右手をお腹に当てる。
(本当に…いなくなっちゃったの…?)
(あなたが居るから…
圭介がいなくても生きていけると思ったのに…)
(どうして…どうして…)
声にならない声を漏らしながら
涙がどんどん溢れてくる。
「うぅー、ゔっ…」
(こんなことなら、一緒に死にたかった…)
何も考えたくなくて
私はまた目を閉じた。
一生忘れることはない
私の心に大きな傷を作った。