もう一度、その声が聞きたかった【完結】
さらに月日は流れ、3月になっていた。

足は不自由なく動けるようになった。
骨の固定でプレートを入れる手術をした為
足には手術の傷あとだけが残った。

足は良くなっても
私の心はちっとも良くならない。


そんな時
両親から話があると呼ばれた。

『さくら、東京から離れないか?』

「えっ…?」

思いもよらない父の言葉に目を見開く。

『お父さん、4月から静岡に転勤になったんだ。
単身赴任しようかと思っていたんだが、
さくらの今の状態のままでは、
お母さん1人にまかせるのは不安がある。
一緒に静岡に引っ越して
環境を変えてみるのはどうだ…?』


「わかった。2人にまかせるよ。」


今のままではダメだと自分でもわかってる。
環境を変えれば何かか変わるかもしれない。
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