もう一度、その声が聞きたかった【完結】
『倉木…顔あげて。』

私は彼の目を見る。
彼は優しい目で私を見ていた。


私の顔を包み込む、彼の温かい手。

自然と2人の唇が重なった。
彼の舌が私の口内を隅々まで撫でていく。

「んっ…はぁ…」

久しぶりのキスに頭がクラクラした。
私は必死に彼の腕にしがみつく。

唇が離れると、彼に手を引かれ
ベッドの上に押し倒された。

彼は私に跨り、私を見下ろす。


『後悔しないか…?』


彼が私の頭をなでる。

私はうなずくと彼の首に手を回し
自分から唇を重ねた。

彼の温かい手が私の素肌に触れていく。


私の太ももにある傷痕を指でなぞり
優しくキスを落とした。

「あぁっ…」

何度も昔の夢を見て
そのたびに心と一緒に痛む傷痕…

それを彼が快楽へと変えていく。


1つ1つがとても優しく…。


彼の温もりに溺れて、心が満たされていった。
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