もう一度、その声が聞きたかった【完結】
(勇人side)


俺の横ですやすや眠る
彼女の綺麗な髪に触れる。


彼女の過去を初めて聞いた。

彼女が恋愛に前向きではない事は
薄々気付いてはいた。

社内の男どもの誘いには
上手く逃げていたように思う。




今まで彼女とは親しくしてきたが
俺は彼女の何を見てきたのだろう。


こんな深い心の傷に気付かないなんて。


彼女が震えながら泣く姿を見て
俺は今までに感じた事のない感情に陥った。

彼女の願いを聞いて
彼女を抱いたのが正解だったのかは
今の俺にはわからない。


とにかく彼女を支えてあげたい。
苦しみから救ってあげたいと思った。


僕の気持ちの整理がついたら
彼女とちゃんと向き合う。
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