もう一度、その声が聞きたかった【完結】
1ヶ月ぶりの2人で過ごす時間は
もうすぐ終わり…

東京駅まで彼が見送ってくれる。

「次はまた1ヶ月後、来月の会議の日だね…」

私の寂しそうな顔とは裏腹に
なんだか彼はニヤついている。

「なに?なんでニヤニヤしてるの?」

『実はさ…
俺、再来週のシルバーウィーク
大阪店の応援入ってるんだよね』

「えっ!?
総務の人に本社から応援出してくれるとは
聞いてたけど、勇人なの?」

『そっ、ちょうど取引先も連休だしな。
来週には総務から連絡行くと思うよ。
俺が入るのは連休初めの3日間、
よろしくな倉木店長。』

「はぁ…。なんだか今から緊張するよ私。」

『大阪店、初めてだから楽しみだなぁ〜』

浮かれてる彼をみて
さっきまでの寂しさを返してもらいたい気分。

また彼にすぐ会えるとわかり
別れの時は笑顔で手を振った。
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