もう一度、その声が聞きたかった【完結】

06:変化

今日はWANZU(ﾜﾝｽﾞ)との商談。
担当者の林さんと店のスタッフルームで話をした。

林さんとタブレットを見ながら
次回のフェアの打ち合わせをする。

メインの限定アロマキャンドルは
本社一括の納品なので問題ないが
脇を固める商品のラインナップを相談した。

「バスボムなどのリラックスアイテムが
やっぱり動きそうですよね？」

『昨年の別の企業の実績ですが
やはりその辺のアイテムは一緒に伸びましたね。』

色々話を詰めて
なんとか展開するアイテムが決まった。

『倉木店長、ちょっとお話があるんですが…
僕、来月から名古屋支社に異動になるんです。
今日の打ち合わせ内容もしっかり後任に引き継いでおきますので…。
シルバーウィーク明けにでも
後任と一緒にご挨拶させてください。』

「名古屋に行かれるんですね。
短い間でしたが、ありがとうございました。
色々ご提案いただいて、勉強になりました。」

『いえいえ、とんでもないです。
こちらこそたくさん【Waz(ﾜｽﾞ)】ブランドを
売っていただいてありがとうございます。
担当が変わりましても、どうぞよろしくお願い致します。』

お互いにペコペコと頭を下げ合う。

プッと林さんが吹き出し笑い出す。

『なんか赤いペコペコする置き物みたいじゃないですか？僕たち。』

「確かに！」

私もつられて笑った。