もう一度、その声が聞きたかった【完結】
「森谷さん、大丈夫ですか?」

『あぁ。なんとなく別れるんだろうなって思ってたしな。今は結婚も考えられなかったし。だから彼女の幸せそうな顔見た時、正直安心したんだ。』



そういうと、彼は3杯目のビールを飲み干した。


「5年かぁ…私には未知の世界です。
相手の幸せを願えるのも…」


私はため息をつき残りのビールに手をつけた。



私のビールが空になったのを確認すると

『もう行くぞ。』と立ち上がる彼。


私たちはいつも深酒はしない。
だいたい2時間でお開きになる。

いつものように店を出て駅まで歩く。




私は彼の話を聞いてからずっと考えていた。



昔、大好きだった人のこと…
いや、今も忘れることができない
大好きな人のことを…
彼は今幸せだろうか…
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