もう一度、その声が聞きたかった【完結】
私の頬に涙が伝う…

指輪は見覚えのあるデザイン
内側には''S to K"の刻印…

付き合って初めてのクリスマスに
一緒に選びプレゼントしてくれたペアリング。

(どうして…まだ持っているの…?
圭介はまだ私のこと…?

いや、そんなはずはない。
だってもう5年も経つ。

あんな酷い振り方をした私を
想ってるはずはないよ…。)

ふと勇人の顔が浮かぶ。

私が今好きなのは勇人。

圭介が仮に今も私を想っていたとしても
気持ちに応えることはできない…。



私は自分に言い聞かせる。

そんなの恋愛ドラマの中のお話だ。


指輪を財布に戻し涙を拭いた。
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