リサイクルショップ おおたき

 地元で一番格式が高いホテル、といってもここは小さな地方都市なのでたかが知れている。

 その同窓会の会場で、大滝こと岩野は食べた。食べに食べまくった。フードロス問題を解決しに来たのかという勢いで、鬼のように食べた。


「お前が大滝? ずいぶん変わったな。俺のこと覚えてるか?」


 ある青年にそう声をかけられた岩野は、「ああ、ちょっとね、転んで記憶喪失になってるからわかんないんだ。いろいろ変わってるのも多分それ」

 と言ってそれ以上突っ込みにくい感じにして誤魔化し、人の分までチキン南蛮を食べた。

 酒は飲めるがコーラやオレンジジュースの方が好きな岩野はそれもがぶがぶ飲んだ。

 そんな様子に反応したのは、夫も恋人もいない女子である。振舞いのせいで忘れられがちだが、岩野は背の高い爽やかなイケメンだ。大滝君とかいたのかいないのかも覚えてないけど、イケメンになったならぜひ声をかけたいという女子たちが、岩野の周りに集まってきた。

「大滝君、久しぶり~」と、安見なら白々しい、と吐き捨てるであろうセリフを臆面もなく吐きながら、女子は近づいてくる。
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