リサイクルショップ おおたき
「俺に? ……なんでまた」
「話してみたかっただけだよ。ちょっとお茶でもしない?」
仕事は年中暇だ。お茶をするくらい特に問題ないだろう。
大滝はスタッフルームに行き、なにかの理由で岩野を怒っている安見に理由を話して外出する旨を伝えた。安見はニヤニヤした。
「よかったですね。頑張って」
「やめろやめろ、気持ち悪い」
と言いながら、大滝も口角が上がるのを抑えられない。
早坂は美人だった。学生時代の印象がおぼろげにしかないが、女性ってすごいなあ、と思う。
ファミレスの窓際の席でドリンクバーの薄いコーヒーを飲みながら、大滝はしばらく早坂に見とれていた。
「でも、うれしいな。大滝君とこうして話せるなんて」
「はあ……」
ドラマみたいなことを言われているな、と大滝は思う。自分の人生にもこんなことが起きるんだなあ。単純に嬉しいというより、感動的ですらある。
「私、大滝君のことずっと気になってたんだよね」
「そうなのか? 話したこともなかったし、全然気づいてなかったけど」
「うん、なんていうかね……。大滝君って、ちょっとだけ」
「ちょっとだけ……何だ?」
「ちょっとだけ、勿体ないなと思ってたんだよね」