リサイクルショップ おおたき
安見の言葉に、大滝は一応納得した。気になることは気になるが、屋上にでかい月があったところで多分支障はないのだ。中からエイリアンが生まれてくるとかそんなことでもない限りは。安見は「その中からエイリアンっていう発想、中学生みたいでウケますね」と大滝を馬鹿にした。
「そういえば、岩野は?」
いつの間にか岩野がいなくなっている。
「さあ」と安見は行って、二人は再び駐車場に出た。
駐車場にも岩野はいなかった。するともしや、屋上に行ってしまったのだろうか。駐車場からでは月の光が邪魔してよく見えない。
「あーあ。ま、あいつになんかあったら店長が責任取ってくださいね。俺はいちバイト仲間としてその死を悼みますから」
「店長ってそこまで責任負わなきゃいけないもんなのかなあ。ていうか、あいつ死ぬの?」
「さあ、死んでもおかしくないってことですよ」
安見はそれ以上関知したくないとばかりに定時まで働くと普通に帰って行った。いつまで経っても岩野が戻ってこないので、大滝は仕方なく店に泊まることにした。