リサイクルショップ おおたき

「久しいな、孫」

「あなたの孫ではないんですけど」


 大滝が嫌そうに言うと、「知っておるわい」と女は呵々大笑した。

 なにやら珍妙なものが来た、と安見が出てきて、「お姉さん、見かけによらず苦労してますね。というか、その見かけを続けることに苦労してませんか」と出し抜けに言った。


「そ、そんなことないわよ! ていうか誰」

「すみません。うちのバイトなんですが、失礼なやつでして」


 安見は失礼ですが、何か? みたいな顔をした。


「従業員の教育ぐらいちゃんとしなさい!」


 流れで説教された大滝は嫌そうに「はい」と言った。

 実はこの時占い師の心には苦労を理解してくれた安見に対するほのかな恋情が芽生えていたのだが、それは安見の知るところではなかった。本人も気づいていないことだが、安見の力は自分に向けられた恋心は感知できないという致命的な欠陥があった。しかし、他者に向けられているものはそれははっきりとわかるので、自分は全くモテないと思い込み、このように卑屈な男と成り果てていたのだった。
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