リサイクルショップ おおたき
でいかように対処すれば、と大滝が訊くと、占い師はしばし考えて、言った。
「店にあったあのマネキンを使わせてもらおう」
大滝が面白い服装とかをさせて自分の心を慰めるために使っていた大切なマネキンだが、必要とあらば仕方がない。安見が隣でぼそっと、「店長、マネキンで何やってたんですか」とあらぬ誤解を生むようなことを言っているが、大滝は無視をした。
一同は占い師の指示で屋上に集まった。
屋上の中央に円を描き、そこにマネキンを置く。何が始まるのか。嫌な予感しかしない。
「これって占いなのか?」
と大滝が訊ねると、占い師は「広い意味では」と言った。占いにおける広い意味などわからない大滝は、ああ、そうなのか、とピンと来ないままに頷いた。
泣き続ける岩野はマネキンの真向かいに配置され、大滝、安見は一定の距離を置いてその様子を眺めるという構図になっている。
占い師がマネキンの背後に立ち、ひょいと腕を振り上げた。すると、ぼかん、と小さな雷が起き、マネキンの頭に落ちる。
「どうせ手品でしょう」
ビビったのを隠したいのか、安見は冷めたようなことを言った。