リサイクルショップ おおたき
「っていっても客、いませんよ。いたら気づきますから」
「そうなの?」
「はい。みんな生きてたらなにかしら考えてますから。そういう気配も全部わかります」
「気持ち悪いなあお前」
「言葉で伝えろと言われたからって威力は調節してもらわないと困ります」
安見は困ると言いながら淡々としている。
そこへ。
「あの、すみませーん」
「ほら、客いただろ」
「あ……」
安見も、これには少しばかり驚いたようである。大滝がお客様ではなく客と呼んでいることにも突っ込まずだ。
形がすきだから、という理由でべつに海にも行かない大滝の祖父が買い揃えたサーフボードがずらりと並んでいる一角がある。
そこからぬっと顔を出したのは、背の高いさっぱりとした雰囲気の青年であった。