リサイクルショップ おおたき

 でも、と電話を切られた後考える。

 確かに一つ一つのことは言いがかりとしか思えないが、これが全てリサイクルショップおおたきに関わってからだと言われると、確かに偶然と言うには度を越しているような気がしないでもない。

 では安見や岩野はどうだろう。そんなに毎日不幸な目に遭っている様子はない。それはなぜか。


「なぜでしょうね」


 スタッフルームに安見が入ってきた。


「働いている側としちゃあ、そこまでとんでもない不幸には見舞われていないつもりでいますけど」

「その差ってなんなんだろうか」


 安見はううむ、と唸った。


「確かに、探偵さんと俺たちになにか条件の違いってあるんですかね……」

「慣れ?」

「それは確かにめっちゃ慣れてきてます」


 ただ、おかしな出来事にみんなで遭遇するのは個人を狙い撃ちする不幸の連鎖とはまた種類が違うもののようにも考えられる。
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