明日もキミといられたら。
悲しみを無理矢理怒りに変えて家の玄関ドアを開いた。


「叶くん………私達別れよう。」

ありのままの気持ちを素直に伝える。

「酷いね、叶くんは………彼女があんな状況でも帰るんだから。」


「…………っ。一回、だけでいい、から。叶、くんと………キスした、かった」


途中で泣いてしまったせいで途切れ途切れになる私の言葉。

「………………」

黙り混む叶くん。


「なんとか言って…………?」

「あんな浮気現場見せられて、何が助けるだよ…………」

「っ………え?」

突然叶くんから出た言葉に頭が追い付かない。

「浮気、現場……って?」

恐る恐る聞いたみた私。

「あんなろくでもなさそうな男共に囲まれてさ。さぞかし楽しめただろうね。」

楽しめたって…………?

さっきまでたくさん出ていた涙はいつの間にかひっこんでいた。

「だーかーらー、妬いてんの。まぁ、妬いてるっていうかなんだか………とにかく俺だってキスとかしたかったわ。」

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