狼×天然【未来編】



『俺は行かねぇ』とでも言いたそうな舜の目つきは本当に怖くて、分かった言いそうになった。



言っちゃだめ。

何が何でも連れてかなきゃ。

無理矢理にでも。



だって――…




「あ、やべ。もう行くわ」




あたしが話そうとした瞬間、舜が慌てだして玄関の方に走っていった。



すると大事な書類を机の上に忘れてるのに気づき、玄関にいる舜の元へあたしも行った。




「これ、大事な書類でしょ?」




あたしが舜に書類を渡すと、舜はあたしの後頭部に手を回してきて顔が一気に近付いた。



…っ!



不意に唇が触れて、離れた時にはあたしはマヌケな表情のままスーツ姿の舜を見送っていた。



今日の同窓会は本当に出てくれないと困るのに、朝からキスしてる場合じゃなかった。


いつも舜は朝会社に行く前に必ず前触れもなく突然キスしてくる。


だから、見送らないで後から舜の会社に書類を渡しに行けばよかったのかも。



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