日直当番【完結】
私はテストが嫌いだ。テストが好きなんて人はいないだろうけど思うけど。テスト開始前の問題用紙と答案用紙を配られてからチャイムが鳴るまでのしばしの静寂の時間が一番嫌いだ。張りつめた緊張感が最高潮に達するときだからだ。お腹が痛くなりそう、といつも思う。

でもテストが始まればあとは走り切るだけ。問題を解いていると、いろいろな思考と感情が自分の中で行き交う。答えを思い出しそうで思い出せないときの気持ち悪さ、完璧に覚えたはずの用語をド忘れしたときの絶望感、あまり手をつけていなかった単元の問題に出くわしたときのもっと勉強しておくべきだったという後悔を味わう。

今回はそれに加えて、進藤くんと永井さんの存在がどうにも気になってしまって、テスト中にもかかわらず、ふたりの関係に憶測を巡らせてしまっている自分がいた。馬鹿げていると自分でも思う。どうしてそんなに気になるのか。今、テストより優先させるものがあるか。

思うように思考がテストに追いつかないまま、4日間の期末考査は終わりを迎えた。


 結果はまさしく惨敗だった。ケアレスミスの連発だ。自分の愚かさに嫌気が差してくる。今日返された数学Ⅱは35点、化学は24点、英語は46点…。一番いい現代文でも53点だ。机の中に無造作にしまったペケだらけの答案用紙を一瞥し、また机の中にしまった。どの教科もパッとしない点数どころか、過去最悪の結果を叩き出してしまった。幸い赤点はなかったことだけが救いだ。
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