日直当番【完結】
あっという間に駅についた。バサバサと傘についた雨の雫を払っている進藤くんの左肩は雨で濡れていた。
「ちょっとベタに肩濡らさないでよ。私はもう濡れてるから気ぃ使わなくてもいいのに」
「あなたの肩を濡らしたら逆に気を使えとでも言われるかと思ったので」
「む」
私って結構そうかも……。
「神崎さんは何線ですか?」
「中央本線だけど」
「それはまた奇遇ですね。僕もです」
私たちは同じ線、同じ電車に乗り込んだ。車内は意外と混んでいたので座れなかった。というか、こんなびしょ濡れで座っては迷惑になってしまう。そんな私は他の乗客の刺々しい視線をビシビシ感じてあちこち痛い。私はブレザーのポケットからハンカチを出して髪や制服を拭いだ。ハンカチは絞れるくらいに濡れてしまった。
「大丈夫ですか?僕のタオルを使ってください」
進藤くんは肩にかけていたスクールバッグの中からタオルを取り出して私に差し出した。少しの間そのタオルをじっと見つめた。
「いいよ別に」
「遠慮しないでください。本当に風邪を引いてしまいますよ。あ、未使用なのできれいです」
そういう問題じゃないんだよ。
「だからいいって。大丈夫だから」
私<進藤くん
になってしまう……。
「ちょっとベタに肩濡らさないでよ。私はもう濡れてるから気ぃ使わなくてもいいのに」
「あなたの肩を濡らしたら逆に気を使えとでも言われるかと思ったので」
「む」
私って結構そうかも……。
「神崎さんは何線ですか?」
「中央本線だけど」
「それはまた奇遇ですね。僕もです」
私たちは同じ線、同じ電車に乗り込んだ。車内は意外と混んでいたので座れなかった。というか、こんなびしょ濡れで座っては迷惑になってしまう。そんな私は他の乗客の刺々しい視線をビシビシ感じてあちこち痛い。私はブレザーのポケットからハンカチを出して髪や制服を拭いだ。ハンカチは絞れるくらいに濡れてしまった。
「大丈夫ですか?僕のタオルを使ってください」
進藤くんは肩にかけていたスクールバッグの中からタオルを取り出して私に差し出した。少しの間そのタオルをじっと見つめた。
「いいよ別に」
「遠慮しないでください。本当に風邪を引いてしまいますよ。あ、未使用なのできれいです」
そういう問題じゃないんだよ。
「だからいいって。大丈夫だから」
私<進藤くん
になってしまう……。