日直当番【完結】
私は進藤くんに背を向けて外の景色を見つめた。私の後ろ姿を黙って見ている進藤くんの姿がガラス越しに見えた。進藤くんはしばらくそうしていたかと思うと、手に持っていたタオルで突然私の頭をワシワシと拭き始めた。新藤くんってそういうことするんだ!?
「ちょっとやめてよ!いいよ自分でやるから!」
進藤くんのタオルは使用済になってしまったので、仕方なく拭いた。
『次は下田、下田です。出口は左側です』
停車駅に着くと乗客の多くはぞろぞろと出て行き、入ってくる人はほとんどいなかったため空席が多くなった。進藤くんは近くの空席に座った。
「座らないのですか?」
「座席、濡れちゃうから」
「たしかに」と進藤くんは頷いて正面を向いた。私は扉の近くの手すりに寄りかった。体が冷えて寒くなってきた。心なしか頭も痛い気がする。
「顔色が悪いようですね。座ったほうがいいと思いますが」
「大丈夫大丈夫。おっと」
カーブの途中で足がフラついて倒れそうになる。私の肩が進藤くんの両手に支えられた。
「大丈夫ではなさそうですね。座りましょう」
進藤くんは私の手からタオルを取り、座席に敷いた。既に立つ気力も失いつつあるので、黙ってそこに座ることにした。進藤くんは少しだけ間を空けて私の隣に座り、足を組んでバッグの中から本を取り出して読み始めた。
「ちょっとやめてよ!いいよ自分でやるから!」
進藤くんのタオルは使用済になってしまったので、仕方なく拭いた。
『次は下田、下田です。出口は左側です』
停車駅に着くと乗客の多くはぞろぞろと出て行き、入ってくる人はほとんどいなかったため空席が多くなった。進藤くんは近くの空席に座った。
「座らないのですか?」
「座席、濡れちゃうから」
「たしかに」と進藤くんは頷いて正面を向いた。私は扉の近くの手すりに寄りかった。体が冷えて寒くなってきた。心なしか頭も痛い気がする。
「顔色が悪いようですね。座ったほうがいいと思いますが」
「大丈夫大丈夫。おっと」
カーブの途中で足がフラついて倒れそうになる。私の肩が進藤くんの両手に支えられた。
「大丈夫ではなさそうですね。座りましょう」
進藤くんは私の手からタオルを取り、座席に敷いた。既に立つ気力も失いつつあるので、黙ってそこに座ることにした。進藤くんは少しだけ間を空けて私の隣に座り、足を組んでバッグの中から本を取り出して読み始めた。