日直当番【完結】
「……でかい…」

 ぶかぶかのパーカーは裾が股下まであり、裾を引きずりそうになるジャージのズボンは腰周りゆるゆるで脱げそうだったので紐をきつく結んだ。そして実はブラまで濡れてしまっていたので今はノーブラだ。幸いパンツは無事だったけど、これじゃさすがにヤバいでしょ。でもブラの催促まではできないので仕方ない。

「あ、ドライヤーどこだろ」

 勝手に洗面所をあさるのも気が引けるので、進藤くんに聞こう。

 スースーする胸をおさえてそろりそろりとリビングに向かった。ドアをそうっと開けてみるとそこには進藤くんの姿はなかった。2階かな?と思って階段を上ってみる。

 ドタッ。

「んぎゃっ」
 
 階段を上り終わる前にズボンの裾につまずいて転んでしまった。それと同時にドアが開く音がして進藤くんの足音が近づいてきた。

「どうしました!?」

 だっっ!半裸!!?

「やっ、ちょっ、上着てよ!」

「失礼。着替えていたもので。けがはしていませんか?」

「してないよ!いいから早く着てよもうっ」

「何か用があったんじゃないですか?」

「ドライヤー、どこかなと思って…」
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