日直当番【完結】
 「ああ、ドライヤーなら」と言って一旦自室に戻り、ロングTシャツを着ながら下りてきた。おとなしく進藤くんについていく。進藤くんは洗面台の下を開けた。

「先に教えておけばよかったですね」

「いや、ありがとう…」

 「はい」と進藤くんは洗面台の下の扉を開いてドライヤーを手渡してくれた。

「あと、制服入れる袋かなんかもらえる?」

「ああ、乾燥機貸しますけど」

「いいよ。時間かかるだろうし。その代わりに、洗って返すからこの服着て帰ってもいい?」

「ええまあ、あなたがいいなら別に構いません。袋用意しておきます」

「ありがと」

 パタンとドアが閉まって進藤くんの足音が遠ざかっていった。はあ、なんか調子狂う…。進藤くんは勉強ばっかしてるイメージがあるからガリガリなのかと思ってたけど、意外と筋肉ついててびっくりしたな……って何考えてんだ私、ヘンタイ!!

 私は余計な思考を振り払うために頭をぶんぶん振りながらドライヤーで頭を乾かした。

 リビングに戻ると、ソファに座る進藤くんの姿があった。

「紅茶でも淹れましょう。今お湯を沸かしているところです。気分はどうですか?」

「まあ、悪くはないかな」

 私は進藤くんの向かい側のソファに座った。
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