日直当番【完結】
『 日 進藤弥也
 直 神崎捺乃 』

 日直当番が回ってきた。

 その日の朝、黒板右端の日付の下に書かれたふたりの名前をじっと見つめた。ガラガラ、と教室の前のドアが開いて、私の日直の相方が入ってきた。

「おはようございます、神崎さん。今日は僕たちが日直ですね」

「ええ。どうぞよろしく」

 私は吐き捨てるように進藤くんに言った。

 今日の4時間目は私が1番嫌いな数学だ。空腹のため集中力がもたない。寝るしかない。そして今日は晴れているというのに、湿度が高いのか空気がもわっとしていて気持ち悪い。そろそろ梅雨の季節だからだろう。

 そう言えば今週は衣替え週間になっている。みんな暑苦しい紺色のブレザーから白が眩しいシャツやブラウスへと替わっていく。私もその中に溶け込んでいた。女子のうちのいくらかは、ブラウスの中のブラがうっすらと透けて見えている。

ほら、私の前の山本さんもスケスケ。角度によってはブラウスのボタンとボタンの隙間からブラがそのまま見えることもあるので危険だ。私はそういうのが嫌なのでちゃんと中にキャミソールを着ている。ブラの上に直でブラウスを着る女子の気持ちが分からない。

アホな男どもにスケスケブラを見せたいのか?正気じゃないな。
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