日直当番【完結】
「神崎さん、6時間目のLHRで使うプリントの帳合作業をするそうなので、あとで印刷室に来てください。ふっ…」

 それだけ言うと、進藤くんは踵を返して教室から出て行ってしまった。ていうか今、私の顔見て「ふっ」て鼻で笑ったよね、「ふっ」て…。

「今の見た?私をチョ―ショーしたよあいつ。あの顔ムカつくわー」

「『嘲笑』って漢字も知らんくせに使うな」

「そこじゃないでしょ!?いつかあいつのいけ好かない銀縁眼鏡かち割ってやる。知的ぶりやがって」

「知的ぶるっていうか、実際頭いいじゃん。それより早く食べて帳合行って来なよ」

「ふぁい」

私は最後に残ったミニトマトを口に入れて席を立った。
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